人類の夢の一つ、時間旅行。
ドラえもんのようなタイムマシンは実現可能なのだろうか?
もしそのような技術が今後実現されたとしたら、すでに未来の人間が過去に来ているはずだ。そしてその痕跡が残っているはずではないだろうか。
今回はそんなタイムトラベラーの痕跡を集めて検証してみた。
1940年の写真に映った場違いな男
カナダのBralorne開拓博物館のWEBサイトに掲載されていた写真に、あまりに時代にそぐわない人物が映っていた。
画像の男は1940年という時代なのに現在のもののようなサングラスをしており、ロゴマークの入ったTシャツ、小型カメラを手にしている。
カメラは高価だが当時も販売されていたKodak Folding Pocket modelに似ているという指摘もある。
サングラスも1944年に同型のサングラスが映画の小道具に使われているため、当時の服装としては進歩的だが不可能ではなかったようだ。
博物館に所蔵されていた写真なので、photoshopということはないだろうが、何かのイタズラで加工された写真と見る向きもある。
たまたま現場に居合わせたおしゃれさんだったということだろうか。それとも…?
問題の男の横に立つハットをかぶったメガネの男がカメラを睨みつけていて気になるところだ。
開拓時代に迷い込んだ男
カナダのバンクーバーにて古本屋を訪れた夫婦が『The Cape scott story』という本に掲載された古ぼけた写真の中に場違いな人物を発見した。
左に映った男性だけは帽子を被らず、当時まだ存在していなかったTシャツを身に着けていて、まるで現代から開拓時代に迷い込んだように見える。
この本は実在しており1974年発行。当時はまだPhotoshopも存在せず、ここまで精巧な合成は不可能だ。
未来から来た男が株で大儲け
2003年1月28日、アメリカのアンドリュー・カールシンという男性がインサイダー取引の疑いで FBI に逮捕された。
カールシンは株の取引によって800ドルの元手をわずか2週間で3億5000万ドルに増やしていたのだ。あまりの成功にインサイダー取引を疑われFBIが捜査を行ったのだった。
ところが取り調べに対して彼は驚愕の返答をした。
「私は2256年からやってきたタイムトラベラーです」
過去の値動きを把握していたため、その知識を利用して金儲けをしていると供述したのだ。
彼は自分の言い分が正しいことを証明するためにアメリカがイラクに侵攻する日を予言し的中させたと言う。
馬券で2億円を的中させた「ミラクルおじさん」
2003年の宝塚記念において、馬券で2億円を的中させた男性がいた。
男性は2週間前の日本ダービーで単勝馬券を当て、全額を翌週の安田記念につぎ込んだ。
安田記念も見事的中し1200万円を手にしたが、今度はその当たり馬券で宝塚記念を単勝一点買い。
ヒシミラクルに1200万円もの大量買いがあったことはスポーツ紙でも記事にされている。
その後ヒシミラクルは見事優勝し男は2億円もの配当を手にした。
特筆すべきは宝塚記念の事前投票が始まってすぐに1200万円の一点買いをしていること。
まるで未来が分かっているとでも言わんばかりではないか。
この男性はその後「ミラクルおじさん」呼ばれ競馬好きの間で語りぐさになっている。
1928年の映像に写り込んだ携帯電話で話す女性
この映像はチャーリー・チャップリンの映画『サーカス』の特典映像として収録されているもの。
1928年にプレミア上映された『サーカス』を見るために行列を作っている人々を映した中に、携帯電話のようなものを耳にあてた女性が映っていた。
現代ではすっかりおなじみの光景だが、当時は携帯なんて存在していない。
当時発売されていた補聴器ではないかという説もある。
ところで、過去の世界で携帯電話は使えるのだろうか?
2036年から来た男ジョン・タイター
2000年、アメリカの大手掲示板に「2036年から来た」と書き込み、その後4ヶ月の間数々の質問に答えていった人物がいた。
様々な書き込みを残したが、アップロードされた画像やタイムマシンの理論、世界線といった独特な概念、未来に関する発言が一部的中したことから一定の信憑性がある。
「任務を完了したので帰還する」と書きこんだのを最後にそれ以降現れることは無かった。
その後ジョン・タイターと共に過ごしたという両親が表れ、弁護士にジョン・タイターの残した記録全てを管理するよう託した。
ジョン・タイターについてはまたの機会に詳しく検証したい。
タイムトラベルは実現可能か
タイムトラベラーに関する情報を列挙してみたが、果たしてこれらはタイムトラベルの証拠になりえるだろうか。
著名な物理学者ホーキング博士は、未来へのタイムトラベルは可能だが過去への移動はパラドックスの問題から不可能だとしている。
5分前の世界に行き5分前の自分を銃で撃ち殺したとする。
5分前の自分はまだ銃を組み立てる途中でタイムトラベルもしていない。では撃ち殺したのは一体誰なんだ?というおなじみの問題である。
このような矛盾を防ぐため、自然界から何らかの力が働くはずだとホーキング博士は推測している。
これが「時間順序保護仮説」だ。
ホーキング博士はタイムトラベラーが存在するかどうかの実験を行ったことがある。
2009年6月28日、ケンブリッジ大学でホーキング博士はタイムトラベラーを迎えるためのパーティーを開催した。
ごちそうとお酒を用意して、部屋を飾り付けた。通常のパーティーと違うのは開催の告知と招待はパーティーが開催された後だったこと。
もしタイムトラベルが可能であれば過去の日付が告知されてもパーティーに出席できるはずだという実験である。
結果は「ずいぶん長い間待ったが誰も現れなかった」とのことで、結局タイムトラベラーが博士のもとを訪れることは無かった。
そのパーティーの様子を映した動画も残っている。
だが、もしタイムトラベラーが存在していたとしても、ホーキング博士のパーティーには出席できないだろう。
なぜならホーキング博士にタイムトラベルが実現可能と示してしまうことは、人類の歴史に関する重大な干渉となるからだ。
未来の世界を根底から変えてしまいかねないため、そのようなことは未来で禁じられているだろう。
パラドックスの問題に対してジョン・タイターは世界線という概念で回答している。
時間軸を共にするパラレルワールドが複数存在し、タイムトラベルを行った時点で元の世界とは似て非なる世界に移動する。
これによって過去に戻って過去の自分と対面しても、それは別の世界線の自分なのでパラドックスは生じないと言う。
もしジョン・タイターの言う通りであれば過去へのタイムトラベルも可能ということにならないだろうか。
ホーキング博士はこの命題に対してこう言って結論とした。
「どのみち我々はみんな未来に向かって時間移動してるじゃないか」
答えは未来で分かる。その時を楽しみにしていよう。