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国道で突如車両が消えた「藤代バイパス車両失踪事件」

事件概要

1963年11月19日、某銀行支店の支店長代理が運転する乗用車は、同銀行の次長と得意客を乗せて茨城県の龍ケ崎市にあるゴルフ場へと向かっていた。

国道6号の藤代バイパスを走行していた時、この車に乗る三人は、前方を走行していた乗用車から突如として白い煙のような謎の気体が噴き出し、車が消失してしまう瞬間を目撃することになる。

この不可解な車両消失事件はオカルト系の雑誌だけではなく、毎日新聞の夕刊にも掲載されており、現在では都市伝説の一つとして数えられている。

藤代バイパス

毎日新聞の記事

毎日新聞では、以下のような記事が掲載された。

目の前を走っていた車が突然現れた白煙?とともに消え失せた――忍法ばやりの昨今、まさにこれは“忍法、車の蒸発”という話。
某銀行支店の次長(38)と支店長代理(39)、それに連れの常連客の三人がある晴れた朝、この不思議な現象を目撃。
いまだにわが目を疑っている。
午前八時過ぎ、支店長代理が運転する乗用車は、茨城県竜ケ崎市のゴルフ場に向け水戸街道の松戸市、柏市を過ぎ藤代バイパスを快走していた。
そのとき百五十メートルほど前を走っていた乗用車のあたりに白煙とも水蒸気ともつかぬガス状の気体が噴出し、すぐ薄らいで消えた。この間、わずか五秒くらい。三人はあっと息をのみ、同時に叫んだ――「車が消えた!」
消えた車は東京ナンバーの自家用車で、黒塗りのトヨペット・ニュークラウン。
後ろの座席の左側で年配の男がクッションをまくらに新聞を読んでいた。
水戸街道の葛飾区金町付近から前を走っていたので三人はよく覚えていた。科学時代の現代「誰にも信じてもらえそうもない現象だが、車は確かに目の前で影も形もなくなった」と三人は力説している。

事件の真相

この不可解な消失事件は、当時多くのオカルト系の雑誌などで紹介され、「実際に日本で起きた消失事件」として話題となった。

現在、この事件の真相としては、下記のような説が有力と考えられている。

高速道路を走行中に運転者が眠気などを催すという「高速道路催眠現象」などにより、三人は幻覚や幻聴を見聞きしていたのではないか。

当時、黒色のトヨタ・クラウンが盗難されるという事件が多く発生していたため、その盗難事件から着想を得て「突如、黒色のトヨタ・クラウンが消失する」という話を創作したのではないか。

また、藤代バイパス事件が起こったとされる1963年11月19日に、愚連隊が重症の男を路上に置き去りにするという事件が発生している。

11月20日の毎日新聞が報じるところによると、この愚連隊連中はわざと事故を起こして被害者から金を巻き上げるという犯行を繰り返しており、犯行に当たっては足のつかぬよう、転売車を使用していたのだが、この置き去り事件に使用されていた車が黒いトヨペット・クラウンだったのである。

転売を重ねた黒塗りのトヨペット・クラウンは警察が押収したとされているが、実はそれは身代わりの車で、本当の黒いクラウンは他のもっと重大な犯罪にも使用されており、証拠物件を秘密のベールで覆い隠すために怪談が利用されたと示唆されている。

トヨペットニュークラウン

愚連隊

愚連隊(ぐれんたい)とは、繁華街で違法行為や暴力行為を働く不良青少年集団。

終戦直後の愚連隊は、復員軍人で社会復帰に困難を来たした者、体育会等で先輩後輩間の暴力支配関係に染まった大学や専門学校の不良学生集団、在日コリアン系・華僑系といった民族的マイノリティ集団から自生したマフィア的組織の構成員などだった。

2000年代以降には、都市部の繁華街において、暴力行為や、暴力団におけるシノギと同様の合法・違法問わぬ経済活動を行う成人を中心とした集団が現れ、一部は殺人事件を起こすなど、“半グレ”として社会問題化している。

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