写真:PA
陰謀論や終末予言というのは今まで数えきれないほど出てきましたが、その両方が一緒になってやって来て、海外のオカルト界隈はちょっとした騒動となっています。
この騒動は「今年の9月22~28日に地球に小惑星が衝突する」という説を聖書の研究家や一部のキリスト教団体が提唱したことから始まります。
彼らによると、「現在の世界の状況は『ヨハネの黙示録』に描かれたハルマゲドンの状況に酷似している」のだとか。
さらに、そうしたキリスト教原理主義的な過激論調に呼応するように、陰謀論者たちが隕石衝突後に「イルミナティによる新世界秩序が執行される」と唱えはじめており、事態は急速にカオスとなっています。
そのため、NASAが見解を出す事態にまで発展しました。
まるで陰謀論と終末論のデパートといった状況ですが、入り組んだ状況をまとめてみました。
なぜ地球滅亡論が起こっているの?
ヨハネの黙示録に記述されているハルマゲドンがこれから起こると聖書の研究家や一部のキリスト教団体で考えられています。
その根拠となっている記述はこちら。
小羊が第六の封印を解いたときに大きな地震が起こった。
太陽は毛の荒布のように黒くなり、月が血の色をするようになった。
そして天の星が地上に落ちた。
それはイチジクが大風に揺られて、青い実を振り落とすようであった。天は、巻き物が巻かれるように消えてなくなり、すべての山や島がその場所から移された。
(ヨハネの黙示録第6章)
今年に入ってから大地震や火山の噴火などの自然災害が多数発生しており、皆既日食も起きています。また、月が赤く染まるブラッディムーンという現象もありました。
これらの現象がたて続けに起こっているため、「天の星が地上に落ちた」という記述の通りに小惑星が地球に衝突するのでは?と解釈しているようです。
陰謀論者も小惑星の衝突を察知!
キリスト教原理主義者たちの主張に呼応するかのように、陰謀論者も小惑星の衝突を予期しています。
有名陰謀論ブロガーは、米軍が来月に予定しているジェイドヘルムという大規模な軍事演習が「小惑星の衝突によって暴徒と化した人々を鎮圧するための訓練ではないか」と主張しています。
ジェイドヘルムは1200部隊が参加する未曾有の規模の訓練ですが、その目的の詳細は明らかになっていません。
陰謀論ブロガーは小惑星の衝突によって壊滅寸前になった人類をイルミナティが支配して、彼らによる新世界秩序(NewWorldOrder)が作り出されるのではないかと言います。
地球を滅亡させるものは小惑星だけじゃない!?
写真:Getty
地球を滅亡させるものは小惑星ではなく、実はもう既に地球にあると指摘している陰謀論ブロガーもいます。
それは、スイスとフランスの国境地帯にある世界最大の素粒子物理学の研究所「CERN(欧州原子核研究機構)」です。
この施設には高エネルギー物理実験を目的として建設した大型ハドロン衝突型加速器があります。
この装置は陽子を加速して衝突させ、そこから出てくるエネルギーを観測するという大掛かりな実験装置なのですが、そのエネルギーが膨大すぎるため、小さなブラックホールが生まれるのではないかと心配されています。
その装置の再稼働が予定されているのが今年の9月なのです。
ブラックホールが地上に生まれた場合、最初はどんなに小さくても周囲の物質を引きつけて加速度的に質量を増大させ巨大化していき、地球はおろか太陽までブラックホールに飲み込まれてしまうでしょう。
そうなった場合、「天は、巻き物が巻かれるように消えてなくなり」という黙示録の記述にも合致します。
写真:SHiP
陰謀論ブロガーは、CERNのロゴには悪魔の数字である666の文字が入っており、また、ヒンドゥー教の破壊神であるシヴァ神の像を祀っているため、CERNは悪魔の実験施設だと主張しています。
NASAや科学者からは否定的な意見が出ている
写真:NASA
ほとんどの小惑星は地球に落下する前に大気圏の摩擦熱で燃え尽きてしまうため、巨大なサイズの小惑星でないと心配されているような事態にはなりません。
巨大サイズの小惑星は容易に観測できるため、NASAは常に詳細に観測しています。
NASAは心配する人々に対して、「地球を滅亡させる規模の衝突は、この先数百年はない」とコメントを出しました。
陰謀論的な見方に沿うとNASAが正直に発表するとも思えませんが、ひとまず安心していて良さそうです。
それにしても、なんで9月22~28日とやけに具体的なんでしょうか。
一説によるとちゃんと計算した本当のマヤ予言は2015年9月になるためとのことですが、そうなるといやはや、本当に都市伝説のデパートですね。
とりあえず、これまでの終末・陰謀論の総決算となりそうな勢いのため、なんだかただごとではない感じです。
おに怖ニュースとしてはこの情報に今後も注視していきたいと思います!