アトランティスやムー大陸、聖書に記され、世界各地で言い伝えられている洪水伝説。水中に没した都市や大陸の伝説はロマンを掻き立てます。
第4氷期の終わりに人類が大規模な水面上昇に見まわれたことは明らかな事実です。数多くの都市が放棄されたであろうことも推測されます。現在1万年よりも古い都市が見つかっていないのは、海に没したからではないでしょうか。
つまり、アトランティスとムーだけが水面上昇の犠牲となったわけではないのです。地球には海に没した数多くの人類の都市遺構が残っています。
その都市は数多くの伝説に彩られ、今でも美しい姿を残しています。
ポート・ロイヤル
海賊の港町として栄えたポート・ロイヤルは、カリブ海で最も重要な場所の一部でした。
17世紀のカリブ海は海賊たちの海でした。商船を襲って宝を奪う海賊は、現在のジャマイカにあったポート・ロイヤルを拠点としていました。
海賊のもたらす富は莫大で、当時のロンドンで流通していた貨幣を超える額が、この小さな港で使われていたそうです。人々の主な産業は密輸・賭博・売春。当時世界で最も堕落した都市と呼ばれていました。
1962年の6月にM7.5の地震がポート・ロイヤルを襲いました。街の2/3が水没し、200人の住民が犠牲となりました。これは背徳の街への神の怒りだったのでしょうか。
現在も水中に数百の構造物が残っており、ダイバーや水中考古学者を魅了しています。
与那国の水中構造物
与那国の海底で見つかった巨石構造物は、発見以来いまだ人工であるか自然物であるかの議論が続いています。
直線と直角で成り立つ石垣や水を流すための溝や門のような構造など、人工物であると示唆するだけの神秘的な構造がそこにあります。
与那国の水中遺跡は高さ250メートルのピラミッドを持っており、紀元前1万年の遺跡であると主張する専門家がいます。
カンベイ湾のドワールカ神殿
インドの西端の海中に眠る古代遺跡は長い間、神話上に存在する都市だと考えられていました。
伝説によるとクリシュナ王は金銀財宝で彩られた宮殿と7万人の都市を持っていたとされています。非常に裕福でインドの重要な都市でしたが、クリシュナ王の没後に海底に沈んだとされています。
遺跡はインドで7つある最も古い都市のうちの1つ、ドワールカ近くの湾内で見つかりました。
考古学者は水中で数多くの成果物を得ましたが、その内の1つの年代は紀元前7500年にさかのぼることが分かっています。
この発見は「神話」の古代都市の存在を確かなものにしました。
中国・千島湖のライオン門
この古代都市は漢王朝の時代に作られた城塞都市でした。見事な獅子の彫刻が施された門は当時からのもので、住民たちに大事に保存されて来ました。
1960年にダム開発のために水中に没し、当時のままの姿を水中に留めています。現在では中国でも人気の観光スポットになっています。
ヘラクレイオンの水没都市
この遺跡も神話上の都市だと長い間信じられてきました。
ヘラクレイオンの都市については古代ギリシャの哲学者・ヘロドトスが著作に記しており、宗教の中心地で地中海の重要な貿易港だったとされていました。しかし19世紀までは実在しない都市だと考えられていました。
イラクリオンが発見されたことにより、古代エジプト史の無数の謎は解決されたほどの大発見となりました。
発見者のフランク・ゴディオは、ナポレオン時代の沈没船を探していて偶然この遺跡を発見しました。信じられないほどのラッキーですね!