働けど働けど楽にならない生活。そんな人間社会の営みを回し車の中を走るネズミに例えて「ラットレース」と呼ぶことがあります。
そんなラットレースに嫌気が刺して、ヤギレースに参加した男性が現れました。彼は人間社会をドロップアウトし、ヤギ社会で生きることにして、諦めました。
トーマス・ウェーツ氏は、スイスアルプスでヤギとなって三日間、ヤギの群れの行動を調査しながら過ごしました。
彼は四つんばいで歩き回れるために専用の特別な義手を使用し、ヤギと同じように草を食べられるようにしました。
ウェーツ氏は、人間が欲望を満たすために技術を使用する方法に興味を持つ概念デザイナーです。
彼はmirrorの取材に対してこう言いました。
「私の目的は休暇を取ることで、痛みや後悔を取り除き、将来の心配などの自意識から逃れることです」
しかし、ヤギになることは決してストレスフリーな生活ではありませんでした。
「ヤギたちは素早く岩山を数キロ移動し、私は簡単に置き去りにされました。だから彼らに追い付くために1日の大半を歩くことになりました。合流できた時、そこが柔らかい草で覆われた牧草地で、本当に助かりました」
彼は牧草を食べながらヤギとともに過ごしましたが、3日で断念しました。その原因は急峻な岩山にあったと言います。
「もし岩山で足を滑らせたら、(ヤギの義足をつけているため)岩に当たるまで止める手段がありません」
ヤギの社会は彼を受け入れてくれているように見えるのですが、続けられなかったのは残念ですね。
彼はヤギ人間として過ごした日々を書いた本を出版する予定だそうです。
参照:mirror