番組収録中のトイレで犯行をほのめかす発言をし、逮捕されたことで話題となっている大富豪ロバート・ダースト容疑者。
33年前に起こった彼の妻の失踪事件は非常に有名で、映画化までされています。 彼はどんな人物なのか、どんな事件だったのかを振り返ってみましょう。
伝説の不動産王シーモア・ダーストの息子
彼の父親、シーモア・ダーストはニューヨークの不動産を扱う老舗不動産会社の創設者。 この会社はタイムズスクエアビルやWTCビルなどニューヨークの名だたるビルを建築・管理するアメリカの発展を象徴するような会社です。
その御曹司であるロバート・ダーストはセレブ中のセレブで昔から有名人でした。パリス・ヒルトンの男版と言ったところでしょうか。
母親は7歳の時に自殺してしまい、ロバートはその死を目撃したことでカウンセリングを受けています。このことが彼の人格形成に深い影を落としていることは言うまでもありません。
周囲の反対を押し切って格差婚
超セレブのロバート・ダーストと結婚したのが歯科衛生士のキャスリーン・マコーマックさんでした。
一般人と言っていいキャスリーンさんとの結婚は周囲の反対を押し切ってのものだったと言われます。結婚後バーモント州で健康食品店をオープンしましたが、父シーモアの不動産事業を手伝うよう圧力をかけられしぶしぶニューヨークに戻っています。
妻キャスリーンの不可解な失踪
1982年1月末まではキャスリーンさんが生きているのが確認されていますが、その後消息が途絶えます。
キャスリーンさんが行方不明になった際、ロバートは別のアパートに住んでいましたが、当時から犯行を疑われていました。
セレブ一族に起きた衝撃的なゴシップは当時アメリカ社会をおおいに賑わせ、“史上最も不穏な事件”と呼ばれています。
家業は弟が引き継ぐことになる
1994年にダースト家の不動産事業を弟のダグラスが引き継ぐことになります。
この任命での権限をめぐってその後ロバートは一族を相手取り裁判を争い一部を勝ち取っています。
現在、彼の個人資産は120億円を超えていると言われています。
作家スーザン・バーマンの死
2000年12月24日にロバートの長年の友人だった作家、スーザン・バーマンさんの死体が自宅で発見されます。
スーザンさんはキャスリーン失踪の真相を知っていたと言われ、死の数ヶ月前にロバートから多額の現金を受け取っていることが分かっています。
この事件でもロバートに容疑がかかり、キャスリーンの失踪事件も再捜査が始まりますが、証拠不足のため逮捕には至りませんでした。
モーリス・ブラックのバラバラ殺人
2001年10月9日には隣人の高齢者、モーリス・ブラックさんのバラバラ死体が発見されます。
この事件でようやくロバートは逮捕されますが、高額で雇われた腕利きの弁護士が徹底した弁護を展開。陪審員は正当防衛を認めロバートは無罪となります。
有罪となれば最高99年の刑に処される可能性がありました。 死体遺棄に関しては有罪となりますが、9ヶ月で釈放されてしまいます。
そして映画化決定
2010年にこの一連の死を題材とした『幸せの行方』というサスペンス映画が制作されています。 映画では独自の推理を元にロバート・ダーストが殺したことが描かれており、ライアン・ゴズリングが静かに狂った男を演じています。 殺害されてしまう妻はキルステン・ダンストが演じました。
TV収録中トイレで「俺が殺した」と独白。逮捕へ
モーリス・ブラックさんの事件は無罪となってしまいましたが、スーザン・バーマン殺人事件とキャスリーン失踪事件は未解決のままでした。
一連の死を巡るドキュメンタリー制作中にロバートがトイレに立った際、彼はマイクが入っているのに気づかず「俺が何をしたかって? 全部俺が殺したに決まってるだろ」と呟きました。
これが証拠となり、スーザン・バーマン殺害の容疑でロバートは再逮捕されます。
実際の音声はこちら。
ロバート・ダーストは3人を殺害しているシリアル・キラーなのか
キャスリーンさんの遺体は今も見つかっていません。モーリス・ブラックさんのようにバラバラにされどこかに捨てられているのでしょうか。
スーザン・バーマンさんも後ろ手に縛られた状態で後頭部を銃で撃たれており、今度は正当防衛が成立する見込みもありません。
通常であれば終身刑を免れない罪状ですが、腕利きの弁護士が今回も無罪にしてしまうのかもしれません。
弟のダグラスさんはマスコミに対して兄の逮捕について「ホッとしている。彼が全ての罪を償うよう願っている」と答えました。
参照:Youtube