2005年の6月、千葉県佐原市下の有料道路で、ある事故が起きた。
内装業の石川政行さん(32)の乗用車が中央分離帯のガードロープに衝突、政行さんと長男の政宗ちゃん(3)が後続の車にはねられ死亡した事故だった。
石川さんの妻、理恵さん(28)も死亡した状態で見つかったが、車の後部座席で毛布をかけられ横たわっており、死後1~2日が経過した状態だった。
千葉県警の司法解剖の結果、理恵さんの死因は頸部の圧迫による窒息だと分かった。
接触痕からわかる事故の状況から、石川さんの乗用車は左側の側壁に接触した後、蛇行して中央分離帯に衝突したと見られている。
助手席側のドアが開いており、衝突した際にドアが開き、政宗ちゃんが路上に投げ出された可能性があるとみている。
石川さんは止まった車から出て、政宗ちゃんの元へ駆け寄ったところを後続車両にはねられたとみられる。
千葉県警は、2人をはねたワゴン車の運転手(66)を業務上過失致死で現行犯逮捕した。
事故に残る謎
2人をはねたワゴン車の運転手は「毛布をはねたと思った」と証言している。
1人は小さい子供とはいえ、大人1人をはねて「毛布をはねた」なんてもので済むだろうか。
後部座席の理恵さんが毛布をかけられていたのは偶然だろうか。
また、政宗ちゃんはチャイルドシートに座っていた。誰かが外さなければ外に投げ出されることはない。
車の左側面はこすった程度の外傷だった。車の発見時、助手席は開いていたが、専門家はありえないことだと言う。
殺された理恵さんが息子を死の世界に呼び寄せたとでも言うのだろうか。
真相を知るものはいない。