イタリアンレストランのトイレの床下は、2000年前とつながっていました。
ルシアン・ファジアーノさんは、イタリア南部のレッチェの建物を購入し、レストランを開く予定でした。
しかし、トイレの床ブロックが剥がれていたため、改装作業は中断。
トイレを補修するために床下を掘っていくと、彼は2000年前に建てられた墓やフランシスコ会の礼拝堂。テンプル騎士団の遺物を見つけました。
ファジアーノさんはすぐに遺跡発掘に夢中になり、レストランの計画はそっちのけで息子と一緒に発掘を続けました。発掘を続けることにはコストも時間もかかり、レストランの開業が遅れるため、奥さんには内緒だったということです。
非公式な発掘だったために警告を受け、歴史研究者の監視を受けることになりましたが、ファジアーノさんは遺跡の土地の一部を購入して発掘を続けました。そして、素晴らしいフレスコ画や、宗教遺物、指輪などを発見しました。
発見から8年が経った現在、この建物はファジアーノ博物館として一般公開されています。
訪問客は古代の地下室そのままの空間を体験できる建物になっています。しかし、まだファジアーノさんはレストランを開く夢を諦めてはいないらしく、いつか遺跡を見ながら食事のできるレストランに改装するかもしれません。
ファジアーノさんの博物館はGoogleストリートビューで中に入って見ることができます。非常に状態がよく、いい博物館です。
レッチェはイタリアの「ブーツ」のかかと部分にあたり、地中海での交易における要所でした。
最初に街ができたのはホメロスの時代にさかのぼると地元の歴史研究家は言います。
こうした古代の遺跡が街の中に現れることは、イタリアでは珍しいことではないそうです。
ローマの円形競技場も、市街地に飾られていた銅像の土台の下から出てきたのだとか。
歴史のある街だとそんなこともあるんですね。