パールベックの巨石やエジプトの河岸神殿の巨石、インカの屏風岩など、どうやって運んだのか、なんのために切り出したのか不明な巨石は数多い。
しかし海外ばかりではないのです。我が日本にもいつからあるのかも、なんのためにあるのかも全く分からない巨石が存在します。それが兵庫県高砂市・宝殿山の山腹にある、生石神社の「石宝殿」。
この巨石、なんと宙に浮かんで見えるというエジプトのピラミッドもビックリのオーパーツなのです。
幅6.4m高さ5.7m奥行き7.2m重さ推定500トンの巨石が「浮いている」
撮影:Hyogo Prefectural Museum of History
ずっしりとした重量感がたまりません。
池の上に浮かんでいるように見えますが、下の方でちゃんと地面と繋がっています。
この石は「天の浮石」とも「浮石」とも呼ばれ、伝説では古代の神様が一夜の内に造ったが、途中で土着の神に邪魔をされて完成できず、ここに放置して帰ったとされています。
古墳の石棺に使われる竜山石でできているため、古墳のために切りだされたなどの説もあります。
また聖徳太子の時代に物部守屋が造ったという説もありますが、学術的には全くの謎です。
江戸時代には宮城県鹽竈神社の塩竈や霧島神宮の天逆鉾と合わせて「日本三奇」に数えられており、ドイツ人医師のシーボルトもスケッチを残しています。
シーボルトのスケッチ
背面には妙な三角形の突起があり、懐かしのブラウン管テレビのような形をしています。
自然の創りだした奇観か、それとも人工的なものなのか。
なんともロマンを感じますね。