脳を切り、人格を変える、恐怖のロボトミー手術

 - 怖い話, 恐ろしい, 痛い, 閲覧注意, 驚き , ,

 

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近代医学は目覚ましい発展を遂げていますが、ほんの数十年前まで、信じられないような人権侵害が平然と行われていました。
その最も代表的なものといえるが「ロボトミー手術」です。
精神病、精神障害の治療として頭蓋骨に穴を開け、脳の前頭葉の一部を切除するという聞いただけでも恐ろしい手術ですが、日本でも1975年5月13日、日本精神神経学会が精神外科を否定する決議を可決し、ロボトミー手術の廃止を宣言するまでは、各地の精神病院で行われていました。
1950年代半ばに抗精神薬が開発されていたのにもかかわらず、「手っ取り早く治療できる」「新しい治療を試してみたい」という患者では無く医療関係者や家族の意向により行われてきたことも大きな問題となりました。

ロボトミー手術とは…?

出典:ウォール・ストリートジャーナル

標準的なロボトミー手術は、患者の額から頭蓋骨に2つの穴を開け、そこに回転する器具、またはへら状のメスを差し込み、額の内側に位置する前頭葉前部と脳のその他を繋ぐ部分を切断するというものでした。
感情や興奮を司る、前頭葉部分を切除することで、精神病患者の感情の起伏を抑えられると考えたのです。
1900年から1970年までの間に世界中で多くの戦争が起き、戦場における凄惨な体験や、親しい人の死、政治情勢や法の劇的な変化により、精神を病む人が世界中で急増していました。
しかし、精神病を治療するには非常に長い時間がかかりますし、多くのサポートを必要とします。
そこで手術をすることで劇的に患者の状態を変化させるロボトミー手術は世界中で歓迎されたのです。
特にアメリカのウォルター・ジャクソン・フリーマン博士は頭蓋骨の眼窩部分からアイスピックを挿入し小槌で叩くことにより、脳をかきだすという方法を考案し、驚くことにこれが1940~50年代のアメリカで大流行したのです。
それもこれらの手術は電気ショックにより失神させ、行うことで麻酔科医が立ち合わずに行い、マスクや手袋をすることもなく行われていました。
最も驚かされるのは、フリーマン博士は脳外科手術を行う資格を持っていなかった点です。
十分な資格を持っていない人物が40年間で3439件も患者の脳を切っていたのです。

患者はどうなる…?

1970年代の初めまでに、アメリカでは2万件以上ものロボトミー手術が行われました。
治療を受けた患者の多くは扱いやすくなったと言われていますが、症状が改善されたというよりは無気力、無感情になってしまったのです。
他にも体のけいれん、てんかん発作や識字障害、記憶障害、尿失禁や意識消失が現れ、患者の日常生活に深刻な支障をきたすことも少なくありませんでした。

出典:カラパイア

当時の評価

出典:JapaneseClass.jp

これだけ危険な手術であるのにも関わらず、精神病の治療と患者の管理が深刻な社会問題化してい当時は、非常に高い評価を受けていました。
手術を発明したポルトガルのエガス・モニスは「精神疾患の外科的治療法を発明した」として、1949年にノーベル賞を受賞していますし、なんとジョン・F・ケネディの妹であるローズ・マリー・ケネディもこの治療を受けまし。
知的障害を抱えていたローズ・マリー・ケネディは成人後も小学校低学年程度の知能でした。
政治家である父のジョセフ・P・ケネディは彼女を修道院へ入れましたが、脱走を繰り返したために、当時大流行していたロボトミー手術を受けさせたのです。
本人や家族に説明をしたり、同意を得ることもなくロボトミー手術を施されたローズ・マリー・ケネディは、術後は2歳程度の知能指数となり、歩くことも、話すことも難しくなってしまいました。
このことはケネディ家の闇として隠されてきましたが、ジョン・F・ケネディが第35代アメリカ大統領に就任したスクープされ、一大スキャンダルとなりました。

ロボトミー手術の残したもの

出典:感動器官

1970年代に入ると、ロボトミー手術の危険性と精神病患者に対する人権侵害問題が社会問題化するようになりました。
ノーベル賞を受賞したエガス・モニスは65歳の時に自身の元患者により襲撃され、脊髄を損傷、身体障害者となっていますし、日本でも1979年に十分な説明と同意がなくロボトミー手術をされたライター男性が執刀医の家に押し入り、妻と母親を殺害するという、ロボトミー殺人事件が起きています。
1975年には精神病院内でのロボトミー手術をはじめとした非人道行為を告発する映画「カッコーの巣の上で」が世界的な大ヒットとなり、1976年に第48回アカデミー賞の作品賞・監督賞・主演男優賞・主演女優賞・脚色賞の主要5部門を独占しました。
当時の精神病治療は、患者の異常行動を抑えることばかりが重視され、その後の患者の自立や人権などは全くもって軽視されてきましたが、皮肉にもロボトミー手術の被害者がきっかけで、それが見直されることとなったのです。
同時期に、妹がロボトミー手術を受けたことを非難されたケネディ大統領やその家族も福祉事業に力をいれることで、アメリカの精神医療の現場は大きく改善されはじめました。

まとめ

つい最近までこんなに残虐な治療が平然と行われていたとは驚きですね。
現在も未知なる新型コロナの流行により、世界中で様々な混乱が生じ、新しい治療方法や解決策が提案されていますが、合理性にとらわれ、人権を尊重する気持ちを忘れれば再びこのような事態が起きてもおかしくはないでしょう。








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